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2023.10.1

西芳だより 令和五年十月

令和五年十月

秋うらら、穏やかな陽気のなかで感じる風が心地よい季節となりました。

夏の疲れも出やすい時期ですが、生活リズムを整えて過ごしたいものです。よく眠って、すっきりと目覚める。「朝活」が注目されて久しいですが、昔から「早起きは三文の徳」と言いますし、朝の過ごし方は大事にしたいですね。

ところで、ずっと「三文の得」だと思っていたのですが、調べてみると「徳」という漢字が使われていました。ずっと間違えていたとは……!

きっと同じように驚いた方もいらっしゃるのでは、と信じていますが、よくよく調べてみると、どちらの漢字も使われるとのこと。「徳」を広辞苑で調べてみると、「神仏の加護などの、他を感化する力」という意味がありました。私は、こちらの漢字のほうがいいなと思います。

先月から新たに始まった折々参拝の初めてのプログラムは「早起き参拝」でした。写経の前に行われる瞑想時間では、しんと静まり返った本堂に鐘の音が響き、皆さん心静かにお過ごしいただいたようでした。朝の静けさは凛として、身の引き締まる思いがいたしますが、目を瞑っていると、だんだんと木の葉が風に揺れる音や鳥の声が聞こえるようになり、静かだと思っていた境内が、実はこんなにも自然の音にあふれているんだ、ということに気づきます。そうした感覚もぜひ体感してみてほしいなと思います。

いつもよりちょっと早起きして、希望に満ちた朝のお庭を歩く。早起きしてよかったな、いいことがありそうだな、お参りのあとそんな想いに満たされますように。

西芳会 細谷

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