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2023.9.1

西芳だより 令和五年九月

令和五年九月

夏の暑さをやわらげるように、朝晩は涼やかな風が通り抜けるようになりました。秋の季語に「竹の春」という言葉があります。境内のタケノコもぐんぐん成長して今では立派な若竹になり、新緑の季節を迎えています。竹にあやかって、夏の疲れに負けずに元気に過ごしたいものです。

先日、初めて西芳寺に参拝に来られたという方が、「私はクリスチャンだが、ローマなどの礼拝堂に似ている。他のお寺にはない雰囲気ですね。」とおっしゃいました。かつて京都でも屈指の拝観者数を誇っていた西芳寺ですが、今から46年前、寺院本来の宗教的雰囲気を保ちながら人々に心静かにお参りいただきという願いから、事前申込制による少数参拝制へと大きく舵を切りました。その願いが実を結び、お参りされる方に実感いただけていること、大変感慨深い気持ちがいたします。

庭園の美しさを楽しめるのはもちろんですが、それだけではなく、五感を研ぎ澄まして「今」この瞬間に没入する感覚も味わえるのが、西芳寺の魅力といえます。忙しい日々の中で、心を調えて自分自身を見つめる時間をとるのは難しいことです。疲れてしまったとき、嬉しいことがあったとき、決意を新たに前に進むとき。そんな人生の折々にお参りいただけたなら、西芳寺のもつ場の力が、時に優しく包み込み、時に背中をそっと押してくれることと思います。

この9月から、西芳寺と禅の教えをより深く知っていただける「折々おりおり参拝」や、西芳寺とのつながりを実感していただける会員制度Saihokaiが新たに始まります。皆さまとのご縁を深められること、心より楽しみにしております。

西芳会 細谷

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