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2024.3.1

西芳だより 令和六年三月

令和六年三月

吹き抜ける風に春の香りが感じられるようになりました。

桜の開花を心待ちにしている方も多いかと思いますが、少し趣向を変えて、「苔のお花見」はいかがでしょうか。花といっても花弁ではなく、「胞子体ほうしたい」と呼ばれる苔のからだの一部。春になると、にょきっと伸びてきて可愛らしいのです。冬の休眠期間を終えた苔の伸びやかな姿に、思わず笑みがこぼれます。

ところで、西芳寺では苔のお休み期間に合わせて、日々参拝もお休みしておりました。冬の間、お寺では何をしていたのでしょうか。

お話を聞くと、庭師さんたちは竹垣や橋の修繕をしていたそうです。寺務員さんたちは、障子の張り替えや研修会を行っていたとのこと。

先日、障子の張り替え作業を見学させてもらいました。刷毛はけを使って、木枠に糊を置いていきます。トントントン、と手際よく作業する寺務員さん。私もやってみたい……というのが顔に出ていたのでしょうか、少しだけ体験させてくれました。さっき見ていたから要領はバッチリ、かと思いきや、なかなか思うように手が動きません。

「早くしないと糊が乾いてしまいますよ!」と言われ、急ぐと糊が上手くつかなかったり、障子にたるみができてしまったり。寺務員さんに手助けしてもらって、なんとか張り替えることができました。実際にやってみると、その難しさ、そしていかに丁寧に作業されているかがよくわかります。

障子が新しくなった本堂は、白さが増していっそう清々しい様子。参拝者の皆様が心地よく過ごしていただけるよう、寺務員さんたちが愛情込めて張り替えました。お参りの際には、そんなところにも注目してもらえたら嬉しいです。

西芳会 細谷

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