グローバルナビゲーションへ

メニューへ

本文へ

フッターへ

2024.2.1

西芳だより 令和六年二月

令和六年二月

蓮池に薄氷が張り、苔に霜が降りて薄化粧をしています。賑やかに鳥の声が響き渡るのが、かえって静けさを際立たせているように感じられます。

先月から、冬だけの特別な参拝がはじまりました。
今年のテーマは「あるがまま」。

どうにもならないことにこだわるのではなく、
あるがままの自分を受け入れ、
今、ここでできることを精いっぱいやればよい。
冬の庭園は、そんなことを教えてくれている気がします。

冬のパンフレットの一節です。テーマに込めた想いを、寺務員さんに聞いてみました。

「昨年まで、冬の間はお庭を公開していませんでした。それは、苔を休ませるためにあえてお庭の掃き掃除をせず、自然に任せるという庭園の管理をしているからです。その様子を見せるというのは、人に見せない部分をさらけ出すようで、私たちにとって大きな挑戦でもありました。

以前、職員の一人が『初めてお庭を見たとき、ここにいてもいいんだ、と許された気持ちになった』と話してくれたことがありました。生きていること自体を肯定してくれる力が、この場所にはあるようです。もちろん、生きていく上では向き合わなければならない試練がたくさんあります。ですが、そうした試練と向き合うために、まずは今の状況や自分自身を受け入れることが大切です。お庭のあるがままの姿を見ることで、あなたも自然の一つなんですよ、ということを感じていただきたいです。」

普段は写経に集中していただく本堂も、この季節だけは堂本印象が制作した104面の襖絵をゆっくり見ることができます。参拝者の方から「この襖絵は何を表現しているのですか」と聞かれることがありますが、「抽象画なのでいろいろな解釈があっていいんですよ」と寺務員さん。これもまた、あるがままなんですね。

どうぞ冬の西芳寺で、「あるがまま」をみつめるひとときをお過ごしください。

西芳会 細谷

おすすめの記事

Members only 心のレッスン
2024.1.4
心のレッスン
「幸せとは」

archive