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2024.6.1

西芳だより 令和六年六月

今回より、インタビュー形式で西芳寺の現在をお伝えしてまいります。季節は梅雨。梅雨の長雨は憂鬱な気分になってしまいますが、西芳寺では四季に梅雨を加えて「五季」と表現するように、緑の潤う魅力的な季節です。今回は、庭師さんにお話を伺いました。

―梅雨は苔が生き生きしていますね。

雨が降ると、水分を吸収しようとして苔の葉が開きますからね。僕は雨の後の晴れ間が好きです。開いた苔の葉に光が通るから、陽が差した瞬間、ピカピカ光るんです。

でも、苔にとってはどうでしょう。急に陽が差すと、日焼けしてしまわないか心配になります。確かに綺麗ではあるけれども、人の欲のためにそれで良いのだという話をしちゃうとダメなのかなとも思います。ここの苔は自然に生えてる苔なので、強いとは思っていますが。

―西芳寺の庭の管理は、できるだけ自然の力で生きていけるよう手助けしているという印象です。今の時期は雨も多いですが、どんなことをされているのですか。

雨の日は箒き掃除ができないので、除草作業をすることが多いです。土が雨に濡れて柔らかくなっているから、草が抜けやすいんですよ。一本一本、苔と雑草の戦いなので、雑草を減らしてあげて、苔がその分生えてこられるように助けてあげています。

―細やかなサポートをされているんですね。境内には120種類以上もの苔があるそうですが、推し苔はいますか。

スギゴケ、ヒノキゴケですね。苔は、動物や鳥に荒らされてしまうことが結構あるんです。だから、はがれてしまった苔を戻す作業もするんですが、 地面につきやすいやつとか、つきにくいやつとか、苔によってもいろいろで。そんな中で、背が高いスギゴケやヒノキゴケは、作業していて楽しいんです。 まあ、好きの基準がちょっとおかしくもありますが。

―庭師ならではの視点ですね。

庭園の順路の最後に、砂利の階段がありますよね。その右側に、ヒノキゴケだけのエリアがあって。ちょうど今日、すごく荒らされてて、ボロボロになってました。朝いちに直したんですけど。状態が良いときは、すごく綺麗ですよ。

―苔のほかに、おすすめはありますか。

カワセミが好きですね。毎年やってきて、黄金池の島に生えている松の木によく止まってます。影向石の手前ぐらいから池の方を見れば、見つけられるんじゃないかな。単独行動の鳥らしいんですけど、子どもをここで産んでいるみたいで。一緒にいるところを見かけるので、親子なんだろうなって思ってます。声がすごい特徴あるんで、聞こえたら、いるなってすぐわかりますよ。チュッピー、チュッピーって言いながら、何周も島を回ってます。

あとは、庭を管理している人間からすると、石組みとか、庭の構造にも注目してほしいですね。たとえば三尊石という、仏像の三尊仏のように三つの石が配された石組みがあります。皆さん気づいてくれているでしょうか。ぜひ、そういったところにも興味をもってもらいたいです。

三尊石は、湘南亭を過ぎたあたりの園路から、左手の島を見ていると見つけられます。探してみてくださいね。

話し手:今年で6年目の庭師さん。お水にこだわりがあり、いつも山の湧き水を汲みに行っているそうです。
聞き手:西芳会 細谷

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