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2024.1.1

西芳だより 令和六年一月

令和六年一月

新しい年を迎え、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

さて、初詣で賑わう新年の京都市内。そんな街中とは対照的に、西芳寺は静寂に包まれています。

「お正月に何か特別な行事はあるのですか?」と寺務員さんに聞いてみましたが、いつも通りにご参拝の皆さまをお迎えしているのだそうです。西芳寺の願いは、人々にとっての「心の拠り所」であること。新年の初詣に春のお花見、秋の紅葉――たとえ京都のいたるところが賑わっていたとしても、いつでもここに来れば心静かに過ごすことができる。そうした環境を保ちたいという想いが込められています。思えば、いつ行っても混雑を気にせずゆっくりと過ごせるところは、意外とないものです。

昨年の5月には世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言の終了を行い、ようやくかつての活気が戻ってきました。日常が戻ってくるのは大変嬉しいことです。けれども先日、僧侶の方からこんなお話がありました。

「コロナ禍は、自分にとって本当に大事なことは何かを見つめる機会にもなっていた。ただ以前の生活に戻るのではなく、自己を振り返る機会を、これからも大切にしてほしい。」

年の初めはさらなる向上を目指し、新しいことを始めようと、心に誓うタイミングでもあります。前に進んでいくには、ときに自分をしっかりと見つめることも大切です。西芳寺ではその一助となるよう、いつでも変わらず、静寂の場を整えてお待ちしております。

今年も皆様とお会いできる日を、僧侶・寺務員・庭師・西芳会一同、心より楽しみにしております。

西芳会 細谷

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