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宗教法人西芳寺

西芳寺の顔として。
参拝者一人一人と、誠実に向き合う。

1300年の歴史をもつ世界遺産・西芳寺。
かつて聖徳太子の別荘があったと伝えられる西山の地に創建され、度重なる戦乱・洪水により荒廃の憂き目にあいながらも、多くの人々に支えられ、臨済宗の禅寺として今に続いています。西芳寺は「苔寺」として有名なお寺ですが、その魅力は苔だけにとどまりません。「調律とひらめきの庭」をコンセプトに、自己と向き合う時間を過ごしてもらいたいという願いのもと、参拝者の方々を迎え入れています。

今回は、参拝者の方々と接し、境内を維持管理する「西芳寺の顔」ともいえる寺務員を募集します。

お寺の事務員なので「寺務員」。歴史あるお寺で働くときくと、昔ながらのルーティーンばかりと思われるかもしれませんが、毎日が試行錯誤の連続。変化をいとわず、参拝者一人ひとりとしっかり向き合っていくことが求められる仕事です。


・・・


京都駅から京都バスに乗ること約1時間。バス停「苔寺・すず虫寺」で降りて坂を上がっていくと、右手に続く西芳寺の柵越しに背の高い木が生い茂っているのが見えてきます。
西芳寺の入り口である衆妙門しゅうみょうもんをくぐると、掃き清められた参道が目の前に広がり、鳥のさえずりがあちこちから聞こえてきます。

玄関で出迎えてくれたのは、寺務員の福本大吾さん。

    

福本さんは、寺務員のリーダーとして参拝の管理を担っています。
「参拝に来られた皆さんが心静かに過ごせるよう、境内の点検・整備を行っています。より参拝環境を良くするために、参拝の導線や案内方法などの改善点を洗い出し、実行に移すのが僕の役割です」

改善点を見つけるには現場の声を聞くことが大切。西芳寺では、各自が得た「気づき」をチャットで共有しています。「こんな掲示物があればわかりやすいのでは」という提案から、お庭の様子まで、気づいたことを積極的に発信。一人一人が常に考え、発信する風土が根付いています。

    

僧侶が「法を説く人」であれば、寺務員は「境内を整える人」

「西芳寺のコンセプトは『調律と閃きの庭』。心を鎮めて自分自身と向き合ううちに、心身が穏やかに調い、前へと踏み出す力が湧き立つのを感じられる。そんな『場の力』を感じ取ってもらえるように、気持ちよく参拝できる環境をつくるのが僕たち寺務員の仕事です」

寺務員は僧侶である必要はありません。僧侶が法を説く人であれば、寺務員は境内を整える人。西芳寺を次代に受け継ぐうえではどちらも欠かせない役割です。福本さんは「深く仏法を語ることはできなくても、場所の魅力を語ることはできる」と言います。

「今の目標は、境内の静寂さを保つこと、そして、季節の良いところや写経に込められた意味など参拝者の皆さんが知りたいことを、きちんと伝えていくことです。少数参拝制だからこそ、話す機会を大事にしています」

普段、福本さんはどのようなことを伝えたいと思って参拝者の方と接しているのか尋ねてみました。
「苔だけではない、ということでしょうか。西芳寺に来たきっかけが何であれ、良いと感じたものを一つでも多く持ち帰ってもらえたらと思います。自分なりにどう受け取ったかという感想を、大事にしてもらいたいなと思いながらお話ししています」


前職は公務員であったという福本さん。人のご縁に呼ばれて西芳寺で働くことに。

「執事長の藤田が、中高の同級生なんです。最初は飲み仲間だったのですが、話していくうちにだんだんと西芳寺で働くという選択肢が生まれてきたんです」

「これをやりたいという想いがあって入ったというよりは、純粋に西芳寺が素敵な場所だなと思ったのが大きな理由ですね。あとは、法衣がかっこよかったから(笑)」
法衣姿で働く寺務員を見たときに、空気を律している感じがあり、そういう佇まいが似合う人になりたいと思ったそう。4年を経て、法衣姿も板についてきました。


気持ちよく参拝できる環境を整え、迎え入れる

今回募集している寺務員の主な仕事内容は大きく二つ。一つは参拝対応、もう一つは参拝環境を整える業務です。

「まず、朝は掃除を行います。参拝者の皆さんが心地よく過ごせるように、皆で手分けして掃除をしていきます。掃除が終わったら、参拝対応に移ります。基本的に西芳寺の参拝は午前中のみ。その間は参拝対応に注力しますが、手が空いたときはお庭の巡回をしたり、境内の除草作業を行ったりもします」

「日によって異なりますが、午後は備品発注などの事務作業や、通常は非公開にしている箇所の掃除、問い合わせ対応などですね。掃除以外にも、こまごました備品の移動を頻繁に行うのですが、仏具などは丁寧に扱う必要があります。一見すっきりしている境内にはたくさんの備品があり、適切な管理が求められます。その時々に求められる掲示や配置を考えて動かすことが、日々の改善につながると思っています」

さらに、建物の修繕や防火設備の管理に携わっていただいている外部業者との日程調整や、作業スケジュールの作成・管理なども寺務員の仕事。
「すべて境内を維持していくうえで欠かせない作業ですから、関係者の方には丁寧に対応するように心がけています。共にお寺を受け継いでいく存在ですからね」

一緒に働く寺務員の皆さんはどのような人たちか尋ねてみると、「人のことを思いやれる方が集まっている」とのこと。

「参拝者の方々だけでなく、一緒に働く人への心遣いも含めて学ぶことばかりです。あとは、限られた時間にテキパキ動ける人が多いです。広い境内を少人数で管理しないといけないので、おのずとそういうスピード感になっていくのかもしれません」

「参拝者の皆さんから学ぶこともとても多いです。寺務員に対して暑さ寒さを気遣う言葉をかけてくださったり、参拝申込のハガキに西芳寺への想いを書いてくださったり。謙虚な方が多く、頭が下がる思いをすることもしばしばあります。予定を調整し、申し込みをして来ていただいているので、心を寄せてくださる方が多いように感じます。日々身を引き締めて対応させていただいています」


自然の変化と向き合い、受け入れる

西芳寺で働くようになって、福本さんは「日毎の違いや、時間帯による違いが目に入るようになった」と話します。自分で調べたり、庭師に教えてもらったりした知見が蓄積したことで、ある時を境にぐっと感じ取れるものが増えたそうです。

季節の変化を身近に感じられる楽しみがある一方で、厳しい暑さや寒さとも付き合っていかないといけません。
「僕は寒いのが苦手なので、冬は身体がガチガチになります。でもこれは、もう身体を動かすしかないです。あと虫も得意ではなかったのですが、過ごすうちにだんだんと慣れてきました」
「どんな生き物にもかわいらしい側面がある。そういう考え方ができる人だと良いと思います。顔の真横を蜂が通ることもありますが、それでも何とかなりますよ(笑)」

現代の便利な生活と少し離れた環境に慣れるまでは、大変と感じるかもしれません。しかし、自然の中に身をおくからこそ五感は研ぎ澄まされ、日々のちょっとした変化にも気づくようになるようです。

興味をもって探求し、対話を重ねる



どんな人が寺務員に向いているのか尋ねてみると、「人に興味を持って、一人ひとりに合わせた対応ができる人でしょうか」と福本さん。
「毎日、西芳寺にはいろいろな方がお参りに来られます。国籍も年齢も考え方も様々。そういった方々に、西芳寺の顔としてどのように接するかを考える必要があります」

思いやりのある対応を常に意識する一方で、参拝ルールを守れない方には毅然とした対応が求められることも。状況に応じた対応が求められるため、これまで接客業などで一人ひとりのことを考えて対応してきた経験がある人には向いているようです。

変わらないために、変わり続ける

お話を聞いていると、お寺を守るために現状維持するのではなく、積極的に変化していこうとする姿勢が感じられます。福本さんは次のように話を続けます。
「変わり続けていることが、西芳寺らしさだと思います。『現成受用げんじょうじゅよう』という禅語があるのですが、西芳寺らしさをよく言い表しているなと」

現成とは、大いなる宇宙・自然の原理に則って自ずからそのように成って現れていること。受用とは、それをそのまま受け取って生かしていくことです。戦乱や洪水で荒廃したことにより苔が繁茂した西芳寺。荒廃の歴史に抗わず、そのまま受け取って生かしていったことで、「苔寺」として今日まで親しまれています。

「変化を受け入れてきたから今の西芳寺があります。変わらないものは滅びてしまう。だから同じ場所にあり続けるために、変わり続けるんです」

最後に福本さんからはこんな一言が。
「いろいろ言いましたけど、なによりこの場所に惹かれた人と、ぜひ共に働きたいですね」


寺務員の仕事については、こちらの記事もご覧ください▼
<読みもの>西芳寺を継ぐ手しごと「今日の仕事が、西芳寺の明日をつくる」

     

宗教法人 西芳寺
【雇用形態】
 正社員(契約期間の定めなし、副業可)
 ※アルバイトをご希望の方も、ご相談ください。
【給与】
 給与は経験・能力を考慮の上決定します。
【待遇・福利厚生】
 ・賞与(年2回支給)
 ・保険(健康保険、雇用保険)
 ・年金(厚生年金)
 ・手当(通勤手当)
【勤務地】
 京都市西京区松尾神ヶ谷町56
【勤務時間】
 8:00~16:30(休憩時間45分)
【仕事内容】
 ・参拝対応(受付、境内案内など)
 ・境内の掃除
 ・事務作業(備品管理、外部事業者との調整など)
【休日休暇】
 ・年間休日80日(シフト制)
 ・慶弔休暇
 ・有給休暇
【求める人物像】
 ・人と接するのが好きな方。
 ・一人一人に合わせた、臨機応変な対応ができる方。
 ・歴史に興味があり、文化や文化財への理解が高い方。
 ・多少の力仕事ができる方。
 ・接客の経験がある方。
 ・ワード、エクセルが使える方。
 ・英語スキルある方歓迎。(拙くても、向上心がある方)
【選考プロセス】
 まずは西芳寺採用担当宛てにメールにてご連絡ください。採用担当より次の選考についてご案内いたします。
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 面接
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 採用

・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。
・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問合せにはお答えできませんのでご了承ください。


【西芳寺 採用窓口メールアドレス】 recruit@saihoji-temple.com
※こちらのアドレスは採用窓口専用です。参拝等のご質問にはお応えできかねます。(一般的なお問合わせは「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください)