1300年の歴史をもつ世界遺産・西芳寺。
かつて聖徳太子の別荘があったと伝えられる西山の地に創建され、度重なる戦乱・洪水により荒廃の憂き目にあいながらも、多くの人々に支えられ、臨済宗の禅寺として今に続いています。西芳寺は「苔寺」として有名なお寺ですが、その魅力は苔だけにとどまりません。「調律と閃きの庭」をコンセプトに、自己と向き合う時間を過ごしてもらいたいという願いのもと、参拝者の方々を迎え入れています。
今回は、参拝者の方々と接し、境内を維持管理する「西芳寺の顔」ともいえる寺務員を募集します。
お寺の事務員なので「寺務員」。歴史あるお寺で働くときくと、昔ながらのルーティーンばかりと思われるかもしれませんが、毎日が試行錯誤の連続。変化をいとわず、参拝者一人ひとりとしっかり向き合っていくことが求められる仕事です。
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寺務員の仕事は、参拝に来られた皆さんをお迎えすることと、皆さんが心静かに過ごせるよう、境内の点検・整備を行うこと。参拝環境をより良くするために、参拝の導線や案内方法などの改善に日々努めています。
改善点を見つけるために大切にしているのは現場の声を聞くこと。西芳寺では、各自が得た「気づき」をチャットで共有しています。「こんな掲示物があればわかりやすいのでは」という提案から、お庭の様子まで、気づいたことを積極的に発信。一人一人が常に考え、発信する風土が根付いています。
西芳寺のコンセプトは「調律と閃き(ひらめき)の庭」。心を鎮めて自分自身と向き合ううちに、心身が穏やかに調い、前へと踏み出す力が湧き立つのを感じられる。そんな「場の力」を感じ取ってもらえるように、気持ちよく参拝できる環境をつくることを大切にしています。
寺務員は僧侶である必要はありません。僧侶が法を説く人であれば、寺務員は境内を整える人。深く仏法を語ることはできなくても、場所の魅力を語ることはできます。西芳寺を次代に受け継ぐうえではどちらも欠かせない役割です。
寺務員が心がけているのは、境内の静寂さを保つこと、そして、季節の良いところや写経に込められた意味など参拝者の皆さんが知りたいことをきちんと伝え、相手の声に耳を傾けることです。少数参拝制だからこそ、対話の機会を大事にしています。
今回募集している寺務員の主な仕事内容は大きく二つ。一つは参拝対応、もう一つは参拝環境を整える業務です。
寺務員の一日は、朝の掃除から始まります。参拝者の皆さんが心地よく過ごせるように、皆で手分けして掃除をしていきます。掃除を終えたら、参拝対応です。基本的に西芳寺の参拝は午前中のみ。その間は参拝対応に注力しますが、手が空いたときはお庭の巡回をしたり、境内の除草作業を行ったりもします。
午後の作業は日によって異なりますが、備品発注などの事務作業や、通常は非公開にしている箇所の掃除、問い合わせ対応などを行います。一見すっきりしている境内には仏具をはじめたくさんの備品があり、頻繁に移動も行っているため、適切な管理が求められます。その時々に求められる掲示や配置を考えて動かすことを寺務員一人一人が意識しながら作業を進めていきます。また、建物の修繕や防火設備の管理などの外部業者との日程調整や、作業スケジュールの作成・管理なども行います。
寺務員に向いているのは、「人に興味を持って、一人ひとりに合わせた対応ができる人」。
毎日、西芳寺にはいろいろな方がお参りに来られます。国籍も年齢も考え方も様々。そういった方々に、西芳寺の顔としてどのように接するかを考える必要があります。
思いやりのある対応を常に意識する一方で、参拝ルールを守れない方には毅然とした対応が求められることも。状況に応じた対応が求められるため、これまで接客業などで一人ひとりのことを考えて対応してきた経験がある人には向いているようです。
また、丁寧な対応が求められる一方で、広い境内を少人数で管理しないといけないため、限られた時間でテキパキと動くことも大切です。寺務員一人ひとりが主体性をもって、臨機応変に対応していく力が求められます。
西芳寺は、お寺を守るために現状維持するのではなく、積極的に変化していこうとする姿勢を大切にしています。
そんな西芳寺の姿勢をぴたりと言い表す、「現成受用(げんじょうじゅよう)」という禅語があります。現成とは、大いなる宇宙・自然の原理に則って自ずからそのように成って現れていること。受用とは、それをそのまま受け取って生かしていくことです。戦乱や洪水で荒廃したことにより苔が繁茂した西芳寺。荒廃の歴史に抗わず、そのまま受け取って生かしていったことで、「苔寺」として今日まで親しまれているのです。
変わらないものは滅びてしまいます。だから同じ場所にあり続けるために、変わり続ける。これが、西芳寺の考え方です。
変化を恐れず主体的に楽しめる方からのご応募を、ぜひお待ちしています。
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寺務員の仕事については、こちらの記事もご覧ください▼
<読みもの>西芳寺を継ぐ手しごと「今日の仕事が、西芳寺の明日をつくる」
宗教法人 西芳寺
【雇用形態】
正社員(契約期間の定めなし、副業可)
※アルバイトをご希望の方も、ご相談ください。
【給与】
給与は経験・能力を考慮の上決定します。
【待遇・福利厚生】
・賞与(年2回支給)
・保険(健康保険、雇用保険)
・年金(厚生年金)
・手当(通勤手当)
【勤務地】
京都市西京区松尾神ヶ谷町56
【勤務時間】
8:00~16:30
【仕事内容】
・参拝対応(受付、境内案内など)
・境内の掃除
・事務作業(備品管理、外部事業者との調整など)
【休日休暇】
・年間休日100日(シフト制)
・慶弔休暇
・有給休暇
【求める人物像】
・お寺・仏教に関心があり、西芳寺の理念に共感できる方
・思いやりと感謝の心を持ち、他者との対話を大切にできる方
・自ら考え、積極的に行動できる方
・変化を前向きに捉え、柔軟に適応できる方
【必須スキル・経験】
・日常英会話以上
・PC基本操作
【選考プロセス】
まずは西芳寺採用担当宛てにメールにてご連絡ください。採用担当より次の選考についてご案内いたします。
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書類選考
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一次面接
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現場体験+最終面接
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採用
・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。
・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問合せにはお答えできませんのでご了承ください。
【西芳寺 採用窓口メールアドレス】 careers@intosaihoji.com
※こちらのアドレスは採用窓口専用です。参拝等のご質問にはお応えできかねます。(一般的なお問合わせは「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください)